オルゴールを聴くといろんなことを想い出します。心が和みます。そして感動します。こんなに大きなオルゴールがあるの! こんな美しい音がするの! 響きが体に伝わってくる! お母さんのおなかの中にいる! 涙が止まらない! 震災で亡くなった娘のこと思い出す! 限りなく想い出を蘇らせる!小さい時の思い出を蘇えらせる!
結婚のお祝いにオルゴールがいい
お話しを交えたオルゴールコンサートが毎日50名を満席にして、午前と午後の2回開催されていました。「結婚のお祝いにオルゴールがいい、オルゴールは美しい音楽を持っています。赤ちゃんにもいい」と言った途端に、オルゴールコンサートに来られた2列目のお母さんが、コンサートが終わるまでお顔にハンカチを押し付けて、泣き続けられました。コンサートが終わって「どうされましたか?」とおお尋ねしたら、
「震災で大学生の娘を亡くしました。落語のクラブで、明るい子でしたのに」と泣き崩れられました。お嬢さんが阪神淡路大震災の犠牲者だったのです。大震災で、結婚間近のお嬢さんを亡くされました。私の不用意な結婚の話は、お母様を苦しめました。
「オルゴールを、娘と思って持って帰ります」と言われました。オルゴールコンサートはお母さんの癒しになったでしょうか? 大震災の不幸を思って悲しさを思い出させて苦しみめてしまったのでしょうか? 未だに蘇る思い出です。
1年後にお母さんが、再びコンサートに参加されました「私です、娘にオルゴールを買ってやった、震災で亡くした娘の母です」と言われて絶句しました。お嬢さんの命を亡くされたお母さんにどんな言葉をかけられましょうか?
オルゴールコンサートでよく涙を流される方をお見受けします。どんな思いでオルゴールコンサートを聴きになったのか?お尋ねしませんが、それは感動なのか?悲しみなのか?思い出なのか?そのお気持ちの深さを知る由もありません。
オルゴールコンサートの一つの大きな、大きな思い出、そして感動する美しさです。オルゴールコンサートは、おひとりおひとりの心の中に静かに溶け込む感動とそして、蘇る思い出です。