「平成4年の夏、右半身の強烈なしびれと脱力感から台所で倒れました。意識が遠くなりながら未知の世界に一人で行く思いでした。脳障害を起こしましたが、比較的軽い方でしたから、リハビリで立ち直ったのです。退院して2カ月後、医師から視床痛の診断を受けたときは、医師も絶望的な表情をされました。
右半身に激痛が走り、鎮痛剤も効かず、それが持続しました。痙攣が起こり意識が無くなる、苦痛に耐えることは死よりも辛いと思いました。集中治療室に何度も入りながら、そして幾度も臨終を迎えながら翌年には自力で立てる程になりました。驚いたことに箸が握れ自分で食事が出来るまでになりました。
秋の深まる中で、近くのオルゴールコンサートに友人に連れられて行きました。まだまともに歩けない程でしたが懸命に歩きました。歩けることがとても嬉しいと感じました。オルゴールコンサートは、お話しを交えてオルゴールの演奏を聴くものでした。右半身はまるで砂が水を吸うように夢中で聴いていました。身体のすみずみまで入るような音の世界がありました。
音楽など歌謡曲しか知らない私には、オルゴールコンサートは驚くほどきれいな世界でした。神聖さに触れる思いで涙が止まりません。人を癒すのはこんな涙だと知りました。心と身体は別々に癒されるものでないことを知らされました。オルゴールが、私の壊れ掛けた心を救ってくれました。コンサートに何度も通う内に、確かにオルゴール療法をさせてもらっていると実感しました。
オルゴールの持つ響きが脳の奥に届きとても気持ちが良いのです。身体がどんどん回復していくのを感じました。痛みが取れるのがどれほど有りがたいことか、痛みで苦しんでいる方がどれほど沢山いらっしゃるか、もっとこの療法が広がれば良いのにと思いました。重い病気に掛かったお陰で、音の世界の存在が解り、オルゴールの力を知りました.」
ある国際生命情報学会のドクターのご紹介により医学会で患者の立場から「脳梗塞 後遺症 視床痛を軽減して」とオルゴールの優れた効果を発表されました。